人間以外の何者かへと“化ける”
その不思議な力を体験する

TRAILER

作品 / ばけるについて

BAKERU とは?

東北地方に古くから伝わる郷土芸能をテーマにした体験型のインスタレーション作品です。お面を身につけることでスクリーンの中の自分の姿が変化し、太古から続く“化ける”行為と芸能をモチーフとした映像の世界をインタラクティブに体験することができます。

着想 / 東北地方の郷土芸能

モチーフ

東北地方は郷土芸能の宝庫と呼ばれるほど
多くの芸能が存在しています。

BAKERUでは
「なまはげ」「鹿踊」「加勢鳥」「早乙女」の
4種類をモチーフにWOWの解釈と表現を加えた
それぞれの世界観を体験することができます。

解釈4種類のモチーフ

なまはげ

なまはげ

田県。山や海は様々な恵みをもたらす場所であり、人とは異なるモノや神が住む世界。秋田をはじめ東北の海沿いでは年の節目になると不思議な顔つきのモノたちが人々の住む地へと奇声をあげ、暴れながらやってきます。秋田ではそれを「ナマハゲ」と呼んでいます。昔から人々は未知の世界からやってきたモノたちを丁寧に家にお迎えしてもてなし、無事に帰ってもらうことを繰り返してきました。するとナマハゲは悪いモノを追い出し、かわりに海山の恵みをもたらしたり、安全や健康、子供の成長などを約束してくれるのです。

鹿踊(ししおどり)

鹿踊(ししおどり)

岩手県や宮城県。東北は豊かな山々に囲まれ、そこには様々な獣(シシ)が住んでいます。中でも鹿ははるか昔から、東北の人々の命を支える貴重な食べ物でした。人々は狩った獣に感謝し、供養する気持ちを、獣に化けることで表現したのかもしれません。さらに、背中につけた「ささら」には神が宿り、それを地面にたたきつけるとその地は清浄になり、獣や植物は生き生きとして、また人々の命を支えるのです。

加勢鳥(かせどり)

加勢鳥(かせどり)

山形県。長く雪深い東北の冬。人々は秋に作った米と稲藁をたずさえて家にこもり、煮炊きしながら、藁細工づくりをして暮らしてきした。こうした冬の暮らしの大敵は「火」。火から家と命を守るため、人々は、「ケンダイ」という藁で体全体を覆った「カセ鳥」に化けて町へ繰り出し、方々から水をかけられます。この水には人々の火伏の願いが込められて藁に宿り、抜け落ちた藁は大切なお守りとなります。

早乙女(さおとめ)

早乙女(さおとめ)

宮城県。日本人の主食は米ですが、厳しい自然の東北では稲が育ちにくく、飢えることも多かったそうです。そのため祖先たちは、地や田にいる神に一連の田んぼ作業を面白おかしく、また美しく表現した踊りを編み出しました。年の初めに神を喜ばせ、その年の豊作を約束してもらいます。少女は神に近い存在とされていて、田植踊の中心になる「早乙女」も少女が多いのです。「弥十郎」の軽妙な語り口で幕を開ける田植踊では、次々と趣向をこらした踊りが披露され、人も神も大喜びでしょう。

精神 / 伝統と新しい表現、技術

伝統を見つめ直す

古くから受け継がれてきた芸能や工芸には、
技術や思想、文化など、
その土地の豊かな世界観が
内包されています。

BAKERU
私たちがその文化をあらためて学び、
現代の表現や技術を通して
その精神を見つめ直そうという
作品群の一つです。